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病気などの悩み事を抱えて相談に訪れた人たちに「修行すれば治る」などと嘘をつき、修行料などの名目で大金を騙し取ったとして、詐欺罪に問われた宗教法人「法の華三法行」の元代表役員・福永法源(本名:福永輝義)被告(60)に対し、東京地裁は15日、懲役12年(求刑懲役13年)の判決を言い渡した。青柳勤裁判長は「教団のトップに君臨し、犯行を推進した首謀者で、刑事責任は共犯者と比べものにならないほど重大」と述べた。

共犯として同罪に問われた元責任役員・前沢あけみ被告(40)は懲役4年(求刑懲役6年)とした。

判決で青柳裁判長は、教団の設立経緯に言及。経営していた会社が倒産した後、宗教や通信販売が儲かると考えた福永被告が、母親から「生活の糧にするため、特別な声が聞こえることにして宗教を始めてほしい」と頼まれ、自分だけに聞こえる「天声」を考案。他宗教の教義を模倣して活動を始めたと認定した。

更に、

○ゴーストライターに書かせた本で足裏診断を宣伝した。

○修行参加者に高額な掛け軸を買わせるなどした。

○修行参加者を新規に獲得した場合に報奨金を出すシステムをつくり、信者を飛躍的に増やした○○と教団の成長過程に触れた。

そのうえで「福永被告が『天声』を聞くことができ、足裏を見て病気などを治す力を持っているというのは明らかに虚偽」と断定。「病気などの深刻な悩みを持ち、せっぱ詰まった気持ちで相談に訪れ、被害にあった人たちへの深刻な影響は計り知れない」と述べた。

判決によると、両被告らは94年3月〜97年2月、相談に訪れた計31人に対し、「足裏診断」「足裏鑑定」などと称する面接をし、「がんが頭まできている。修行に行ったら治ります」などと嘘をついて「修行代」や「法納料」を要求。計1億4921万円をだまし取るなどした。

「法の華三法行」は福永被告が80年に設立。87年に宗教法人となった。01年3月に破産宣告を受け、解散した。

教団をめぐる詐欺事件では2被告を含め計15人が起訴された。これまで11人の有罪が確定、2人が最高裁に上告している。