日産 グロリア所長
「先程、西新の交差点でクラクションを派手にならしていた車がいたが、車の特徴を覚えてるかね?」
 
私は心で思った。やっぱり試験じゃないか・・・と。
 
藤原
「シルバーの普通のセダン型の車が割り込みして来たタクシーにクラクションを鳴らしていたと思いますが、その車のことでしょうか?」
 
所長
「そうだ。で?」
 
藤原
「シルバーの車は高級車だったと思います。グロリアだったような・・・。」
 
所長
「そうか・・・。」
 
後部座席に着座した所長が何かメモされているなとバックミラーで感じつつ車をそのまま走らせた。
 
所長
「前方から来る黒のミラージュが分かりますか。」
 
藤原
「はい。」
 
ミラージュは走り去った。
 
所長
「ナンバーを教えてくれ。」
 
藤原
「はい・・・。えっと福岡ナンバーで4桁だったような・・・。」
 
所長
「そうか・・・。」
 
後部座席に着座した所長が何かメモされているなとバックミラーで見て気になりつつ、車をそのまま走らせた。
私は思った。車輌が連なって走っていると、すれ違う車のナンバーは瞬く間に見えなくなるため、記憶は瞬時になされるのだから、のんきに運転などしていられないな。そして車輌ナンバーを記憶することは動体視力と反射神経が見られているなと。
そんな時、所長が言った。
 
所長
「私がなんと言ったか覚えているか?」
 
藤原
「あっ・・・すいません。」
 
所長
「緊張せず自然体で運転するように言ったはずだ。緊張して運転がぎこちなくなってるよ。聞かれた内容は気にせず、そう心がけて運転しなさい。視野が広がるのは訓練でどうにでもなるからそこを見ているんじゃないんだ。とにかく指示された通りにしなさい。」
 
藤原
「はい。」
図星だった。
 
つづく
 
 
by藤原