8cae5458.jpg

小学生が犠牲になる事件が相次いだのを受け、大阪府教委が今年4月、府内すべての公立小学校1年生約8万4000人に無償貸与した防犯ブザーで、肝心の音が鳴らない不良品が続出していることが分かったそうだ。

府教委の調べでは、少なくとも3000個が故障し、予備品との交換に追われているとのこと。保護者からは「万一の際に使えなかったら意味がない」との声が上がっており、府教委は「外出の前には、必ず音が鳴るか点検してほしい」と注意を呼びかけているそうだ。

防犯ブザーは大阪府八尾市の学校教材メーカーが受注し、中国で製造。予備を含め約9万3000個を納入したそうだ。

手のひらサイズでランドセルに付けたり、首にかけたりしてボタンを押すと、120デシベルの大音量が出る仕組み。

メーカーによると、4月以降に「音が鳴らない」との苦情が寄せられたため調べたところ、スイッチの接触不良やはんだ付けが弱い製品が見つかった。府教委が今年1月にブザーの配布を決めた後、新学期に間に合わせるため、短い期間に大量の製品を作ったことから、品質管理が行き届かなかったとのこと。

豊中市教委は230個の故障を確認したそうで、市立南桜塚小では1年生約120人のうち40人以上の分が故障。終業式前日の今月19日、「貸与されたブザーの信頼性は低いと判断せざるを得ない」とのプリントを各家庭に配った。ある父親(43)は「子どもには別のブザーを買って持たせた。役に立たないブザーを配っても意味がない。メーカーが全面回収などの手を打つべきではないか」と話したそうだ。