2008年03月31日
あなたにとっての「浮気」〜その1
はじめに
もし今離婚を考えておられる方がいらっしゃっるとして、いったいどのような経緯で離婚を考えざるを得ない状況に立ち至ったのかというご事情は様々でしょう。しかしその多くは、「性格の不一致」や「配偶者の浮気」が原因となっているケースが多いと考えられます。
結婚生活を続けていくことが難しいと感じられるようになってしまったとき、もしも双方が話し合いを通じ納得づくで各々の道を歩み出すことができるようなら、おそらくそれは(ある意味では)幸せなことかもしれません。そして、もしそれが不可能な状況にある方にとっては、どのようにして離婚を成立させるのかが大きな問題となってきます。
今回は2回にわたり、離婚原因の中でも特に「不貞行為(=浮気)」を取り上げ、さらにはそれをどのように証拠立てていくのかについてお話しすることにします。
なお、以下では
「結婚」=「婚姻」
「浮気」=「不貞行為」
「理由」=「事由」
と書くことにします。
あなたにとって「浮気」とは何ですか?
一口に「浮気」と言ってもその意味はさまざまです。どこまでは「浮気」ではなく、何が「浮気」なのか、これはおそらくかなり微妙なところです。はっきり言えば人それぞれでしょう。
とはいえ、配偶者以外の人間と性的関係を持ったとなれば、これは多くの人が口をそろえて浮気だと認めることでしょう。そして実際に離婚の原因として法的に認められ得る「浮気」すなわち「不貞行為」とは、まさにこの「性的関係を持つこと」を指しています。
不貞な行為とは、配偶者のある者が、自由な意志に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい(以下略)
(最高裁判例昭48・11・15)
しかし、ここで一つの問題があります。そしてそれは最も大きな問題といえるのです。それは何かといえば
配偶者の不貞行為を立証できるか否か
なのです。
たとえ配偶者の不貞行為が事実だとしても、それだけでは離婚が公けに認められるものではないのです。お互いが合意の上で離婚することができず、法的な決着をつけなければならなくなった場合には、確たる証拠をそろえて不貞行為がまぎれもない事実であることを証明することが必要になってきます。
つまりもしあなたが配偶者をたしなめることを目的としているというのなら、「尻尾をつかむ」程度で十分に目的が果たされることもありますが、離婚をめぐって法的に配偶者と争うことになった場合は、不貞行為の十全な立証が不可欠となってくるのです。
念のため付け加えておきますが、仮に不貞行為をじゅうぶんに立証できなくとも(またはそもそも性的関係がなくとも)、「婚姻を継続し難い重大な事由がある」と認められれば離婚そのものは可能です(民法第770条)。
しかしその場合、「不貞行為」を理由とする離婚とは違い、慰謝料(慰藉料)の額が小さく、場合によってはそもそも慰藉料の請求自体が認められなくなってしまう可能性があります。
なぜなら、法的には「離婚原因を作り出したのはどちらなのか」が問題とされるからです。これを「有責性」の問題と言います。離婚原因をつくった側(=有責配偶者)にはそれ相応の負担が求められることになりますが、ここでいう有責性とは事実上、配偶者(つまりあなた)以外との性的関係の有無によって判断されることになります(だだし、それが全てとは言えないのはもちろんのことです)。

