以下、2003年にZDNet Asiaに掲載された"Qualcomm says Korean CDMA wiretapping is possible"の日本語訳。


(概要)
クァルコム(注)の会長は、韓国で政治的懸案となっているCDMA携帯電話の通話盗聴に関して、妙技(盗聴)自体は可能ではあるがまず起こりえない事態であることを示唆した。
(本文)

韓国政府は、CDMA携帯電話の通話の盗聴が技術的に可能であることを公式に否定した。CDMA技術の主要部分を開発したアメリカ合衆国の無線技術開発会社であるクァルコム会長アーウィン・ジェイコブスは、韓国の通信社である聯合ニュースに対して、CDMAの盗聴は技術上必ずしも不可能ではないが、それは極めて困難な作業かつ特殊な装置を用いた莫大な労力を要するものだと語った。
注)クァルコム社:CDMAの特許を保持しているアメリカの半導体・携帯電話チップメーカー

携帯電話の伝送はすべて技術的には傍受可能であり、暗号化されていない有線部分(基地局間の伝送)であれば通話(通話の内容)まで聞くことも可能であるのに対し、無線部分での盗聴は相対的に困難である。今年10月、韓国の或る大臣は(国会で開かれた)国政監査(parliamentary audit)の際に、韓国国内に於いてCDMA携帯電話を用いた通話を盗聴されることがあり得ないと明言した。これに対して野党は、韓国大統領府警護室が密かに数人の政府当局者へ盗聴防止型携帯電話を付与したと主張し、当の大臣を偽証罪で告訴する意向を示した。朝鮮日報は、政府職員や財界人は盗聴を防ぐ為に複数の携帯電話機を使用する者もいる、と報じている。
韓国の携帯電話機メーカーであるパンテック・キュリテル社は、今年二月、盗聴防止機能付きと称するCDMA携帯電話機を発売した。この600Sという機種は、携帯電話機のESN番号の違法複製も防ぐことの出来る音声暗号化機能を搭載しているため、違法なクローン携帯を用いたとしても盗聴は不可能とされる。ただし安全な通話は、発信者・受信者双方がこの盗聴防止機能付きの機種を使用している場合に限られる。


出典:http://www.zdnetasia.com/news/communications/0,39044192,39158680,00.htm